水回りの豆知識
ポンプに関する豆知識
1. 井戸ポンプ、見たことありますか?
井戸ポンプの基礎知識
「井戸」と聞くとどんなものを思い浮かべますか?
恐らく多くの方が思い浮かべるのが、お城などの史跡やお寺などの古い建物内に残っているような、丸い円筒状の石垣やコンクリートで固められた深いものではないでしょうか?
または、時代劇などの映画やドラマなどで放映されているような、ロープの先に桶を結びつけたものを使って、滑車で水を汲み上げていくようなものを想像されるかもしれません。しかし、実は意外に身近な場所に、今でも井戸は残っていることが多いのです。
濃い緑色に塗られた金属製の筒に、長い取手が取り付けられた外観のポンプを街の片隅にあるのをご覧になったことはないでしょうか。昔は、あちこちで見かけられていたようで、今では数が少なくなってきているものの、よくよく探せばどの街にもひとつかふたつ、どこかで見つけることができるでしょう。
その中の多くは、今となっては使われている様子もなく、なんでこんなものがここにあるのだろう?と不思議に思うかもしれません。
これらの井戸ポンプは、水道が普及したことで使用されなくなり、農事用以外ではあまり見かけなくなりました。しかし、阪神・淡路大震災の際、災害時の生活用水・雑用水の確保に、これらの井戸は大いに役立ったのです。そこから見直されるようになり、現在では、各自治体によって災害手押しポンプ井戸登録も行われるようになってきています。
また、公園や公共施設にも設置が行われるようにもなってきています。その基本的な仕組はハンドル操作によるピストン内部にできる真空と大気圧によって水を汲み上げる仕組みで、これを応用したのが井戸のポンプです。次号では、井戸ポンプの構造や働き、メンテナンス法などをご紹介します。